こめ59(@snackpanda_)です。
今回は仮想通貨の確定申告に必要な「総平均法」と「移動平均法」について説明するよ。
「総平均法」と「移動平均法」は仮想通貨を継続的に売買する人が、所得金額を計算するときに、仮想通貨の取得単価を求める方法だよ。
目次
総平均法と移動平均法について
基本的には総平均法を使用する
「総平均法」と「移動平均法」のどちらを使うか、についてですが、原則は「総平均法」になります。
「移動平均法」を使うためには、「所得税の(有価証券・暗号資産)の評価方法の届出書」を税務署に提出しなければなりません。
ですので、税務署に届出をする人以外、基本的に全員が「総平均法」を使用することになります。
総平均法とは
総平均法とは、1年間で取得した仮想通貨の金額の合計を、1年間で取得した仮想通貨の総量で割って取得単価を計算する方法だよ。
下記の取引を考えてみましょう。
1年間で取得したBTCの取得価額の総額を求める
1年間で取得したBTCの取得価額(購入時の金額)の合計を求めます。
1,845,000 + 1,650,000 + 542,800 = 4,037,800円
1年間に取得したBTCの総量を求める
1年間で取得したBTCの総量を求めます。
4 + 2 + 0.5 = 6.5BTC
年末時点の1単位当たりの取得価額(取得単価)を求める
次に、年末時点の1単位当たりの取得価額を求める。
4,037,800円 ÷ 6.5BTC = 621,200円/BTC
年末時点で保有するビットコインの評価額を求める
年末時点で保有するビットコインの評価額を求める。
1.5BTC × 621,200円/BTC = 931,800 円
評価額を計算するのは、翌年の売却原価を計算をする時に、年始残高の記載が必要になるからだよ。
所得金額を求める
所得金額は、「売却価額 ー 売却原価 = 所得金額」で求めます。
売却価額とは、BTCを売って得た金額です。
2,400,000円 + 2,895,000円 = 5,295,000円
売却原価は、「売却したBTCの総量 × 取得単価 = 売却原価」
5BTC × 621,200円/BTC = 3,106,000円
所得金額は、
5,295,000円 ー 3,106,000円 = 2,189,000円
となります。
これが、課税対象になる所得だよ。
移動平均法とは
移動平均法とは、仮想通貨取得の都度、取得時点の取得単価を計算し直して、年末に一番近い日付に計算した取得単価を、取得単価とする方法だよ
先ほどと同様の取引を考えてみましょう。
取引日ごとに取得単価を求める
3月1日
保有するBTCの総額 1,845,000円
保有するBTCの総量 4BTC
取得単価 1,845,000円 ÷ 4BTC = 461,250円/BTC
6月20日
保有するBTCの総額 1,845,000円 + 1,650,000円 = 3,495,000円
保有するBTCの総量 4BTC + 2BTC = 6BTC
取得単価 3,495,000円 ÷ 4BTC = 582,500円/BTC
7月10日
保有するBTCの総額 4BTC × 582,500円 = 2,330,000円
※総額は「保有するBTCの総量 × 取得単価」で計算します。
保有するBTCの総量 6BTC − 2BTC = 4BTC
取得単価 582,500円/BTC
取得の都度取得単価を計算するので、売却の時に取得単価は変わらないよ
9月15日
保有するBTCの総額 2,330,000円 + 542,800円 = 2,872,800円
保有するBTCの総量 4BTC + 0.5BTC = 4.5BTC
取得単価 2,872,000円 ÷ 4.5BTC = 638,400円/BTC
11月30日
保有するBTCの総額 1.5BTC × 638,400円 = 957,600円
保有するBTCの総量 4.5BTC − 3BTC = 1.5BTC
取得単価 638,400円/BTC
年末に直近の取引日時点で計算した取得単価が、最終的な取得単価になるよ
年末時点で保有するビットコインの評価額を求める
年末時点で保有するビットコインの評価額を求める。
1.5BTC × 638,400円/BTC = 957,600 円
所得金額を求める
所得金額は、「売却価額 ー 売却原価 = 所得金額」で求めます。
売却価額とは、BTCを売って得た金額です。
2,400,000円 + 2,895,000円 = 5,295,000円
ここは、総平均法と同じだね
売却原価は、「売却したBTCの総量 × 取得単価 = 売却原価」
5BTC × 638,400円/BTC = 円
所得金額は、
5,295,000円 ー 3,192,000円 = 2,103,000円
となります。
総平均法と移動平均法の計算結果の違い
今回計算した「総平均法」と「移動平均法」の結果を比較してみます。
総平均法 | 移動平均法 | |
取得単価 | 621,200円/BTC | 638,400円/BTC |
年末時点の評価額 | 931,800 円 | 957,600 円 |
所得金額 | 2,189,000円 | 2,103,000円 |
どちらが得になるかはケースバイケースだけど、総平均法を使って計算するのが一般的だよ。
今回の説明は以上だよ。
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