『プラスチックのうみ』レビュー:子どもと一緒に考える海ごみ問題

読書感想

こめ59(@snackpanda_)です。

今回は

「プラスチックのうみ」

を読んだ感想を紹介します!

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こめ59
こめ59

美しいイラストと悲しい現実のコントラストが印象的な絵本だよっ!

目次

この本との出会い

私がこの本を読もうと思ったきっかけは、子どもと一緒に海岸清掃ボランティアへ参加したことです。

せっかく清掃ボランティアに参加したんだから、これをきっかけにもう少し深く親子で海ごみ問題について学ぶことができないかな、と。

当時うちの息子は5歳でしたので、一緒に読むなら絵本がいいな、ということでこの本を選びました。

5歳くらいだと新しい絵本があると

「なになに?!読んでみたい!」

と食いついてくれるので、我が家では性教育や今回のような環境問題など、学ばせたいことがある時は絵本から始めています!

『プラスチックの海』とは?

『プラスチックの海』は、美しい海のイラストと、そこに広がるプラスチックごみの現実について描かれた絵本です。

最初は美しい海のイラストに目を奪われますが、そこからプラスチックごみが魚に取り込まれ、それを捕食する動物たちに取り込まれ、巡り巡って生態系や環境を破壊していく様子が力強いメッセージと共に描かれていて、大人が見ても結構インパクトのある作品です。

シンプルながら、深刻化する海洋プラスチック問題についてよく理解できる良書だと思いました。

この本書の魅力

1.インパクトのある翻訳

この本の魅力の一つは、翻訳だと思っています。

文章がすごく特徴的で、

「ごみです。ぼくたちがすてた ごみです。」

「さかなです。ぼくたちがすてた ごみのなかで およぐ、さかなです。」

「アザラシです。ぼくたちがすてた ごみのなかで およぐさかなを たべる、アザラシです。」

みたいな感じで、シンプルなんだけど、自分たちが捨てたプラスチックゴミがどのように魚に取り込まれ、それを捕食する動物に取り込まれ、環境を破壊していくかがシンプル、かつ、力強く伝わってきてとても印象に残ります。

後から知ったんですが、この翻訳、当時小学校5年生だった男の子(川上 拓土くん)が翻訳したみたいで、5年生にしてこんな文章が書けるのか、とめちゃ驚きました!

小学生が翻訳した、というバイアスを抜きにして考えても、めちゃ秀逸な翻訳だな、と思ってます!

2.色とりどりの美しい海のイラストと悲しい現実のコントラスト

この本のもう一つの魅力は、色とりどりの美しい海のイラストと、それにまつわる悲しい現実、のコントラストだな、と思っています。

プラスチックが浮遊する海のイラスト、一見すると色とりどりで美しく見えるんですよね。

実際海岸に落ちているマイクロプラスチックも綺麗に見えちゃったりするんですよね。

けれど、その一見すると美しく見える色とりどりのプラスチックは、実は海の生態系や環境に深刻な悪影響を及ぼしていて、そしてそれを海にばら撒いているのは私たち人間である、という悲しい現実。

この本の終盤に、

「みて・・・、ぼくたち にんげんのせいなんだ。」

という力強いメッセージが出てきます。

この文章に大人ながら「はっ」とさせられて、よく海に落ちているゴミを見ては

「誰だよ、こんなところにゴミを捨てるの・・・」

って他人事のように思ったりするんですが、実は自分自身も海を汚している当事者になっているのではないか、と気づかさせられるんですよね。

他人事じゃなくて自分事なんだ、そう思った瞬間に、

「自分も何かしなくては」

という意識に駆り立てられました。

子どもと海ごみ問題を考えるきっかけになる本

海ごみ問題で大切なのは、「現実を知ること」と、「自分こそが当事者である」と自覚することかな、と思っています。

普段から「ゴミは分別しなきゃ」とか、「プラスチックは3Rが大切」とか、いろんなところで耳にするので、やらなきゃいけないという意識はありますが、どこか他人事のような感覚があったんですよね。

けれど、自分たちのしている行動の結果、それが巡り巡って海を汚し、海の生物を殺している、という気づくことで、

できることからチャレンジしよう

この本を読んで私たち親子にもちょっとした変化がありました。

一つは、「海ごみアクセサリー」を作って販売するチャレンジを始めたことです。

もともと「どうやったらお金を増やせるの」という4歳の息子の疑問をきっかけにお金の勉強をしていましたが、そこに環境問題も絡めれば視野が広がるかも、という視点が増えました。

他にも、海ごみアクセサリーを作るためのマイクロプラスチックを海に拾いに行った時、5歳の息子が

「プラスチック以外のゴミも拾ってあげよう。サメは怖いやつだけど、ゴミを食べて死んじゃったらかわいそうだからね」

なんて発言もありました。
なぜサメ限定だったのかは分かりませんが。笑。

でも、「プラスチックのうみ」を読んだことで、子どもの意識の中に、

「ゴミを食べて死んでしまう魚がいる。」

という気づきが生まれたのだと思います。

小さな変化かもしれませんが、こういった小さな変化の積み重ねが重要だと思っています。

私たち親子と同じように、この本をきっかけに海ごみ問題について興味を持ってくれる子どもが増えたら嬉しいな、と思っています!

総評

★★★★☆(5点中4点)

環境問題に興味がある大人や、子どもと一緒に学んでみたいと思っている方はこの本を手に取ってみることをお勧めします。

イラストも美しいので、絵本としても優秀な一冊だと思っています。

コメント

  1. 臥龍 より:

    親子での海岸清掃体験から読まれた『プラスチックの海』の感想が印象的でした。美しい海のイラストとプラスチックごみの現実との対比が強いメッセージを放ち、翻訳の力強さも心に残ります。子どもが「サメがかわいそう」と語る場面には素直な気づきの芽を感じました。小さな意識の変化を親子で共有し、行動につなげている点がとても素敵で、環境問題を自分ごととして考える大切さを改めて感じさせてくれる記事でした。